弁護士コラムバックナンバー

徒然草

小林 弘卓

〇高倉健とわたし

映画俳優高倉健が亡くなって既に3年あまり経った。健さんにまつわる本や,彼のドキュメント等をみると,彼は自分の生き方を常に求め続けていた人のようである。

健さんがある人に送った手紙の中に

冷に耐え,苦に耐え、煩に耐え、閑に堪え、激せず、騒がず、競わず、従わず、もって大事をなすべし

とのメッセージがあった。この言葉などは、わたし自身弁護士生活の中で、戒めにしているものではあるが,この境地を実践することは余程大変なことである。

○筋トレとわたし

わたしの場合,なぜ筋トレをしているのかといえば、ストレス解消のため,健康のため,守るべき人を護るため、そして理想の体型に近づくためといったところであるが,一番トレーニングの継続に役立つのは,理想の体になりたい,見た目の良い体になりたいということのようだ。

わたしの場合,細マッチョよりは映画俳優のジェイソン・ステイサム(この俳優には頭髪についてもシンパシーを感じているが)まではいかないとしても,007俳優ダニエル・クレイグの体型を理想としている。道のりは遠いけれど日々精進です。

もっとも,筋トレだけしているわけではなくて,筋トレと有酸素運動とを組み合わせて行っていて,このやり方が一番わたしには適していると思われる。

もちろん運動には,栄養と休息が不可欠で、これにも十分気を遣っている次第で,このような生活をできるのも,家族や事務所スタッフその他関係各位のおかげです。皆様ありがとう。

○六本木ヒルズとわたし

自宅から六本木ヒルズが近いので、よく利用している。

ショッピングや飲食だけでなく,公園(通称ロボット公園)やテレ朝ショップは,子供の格好の遊び場であるし,美術館もあればシネマコンプレックスもあり,客寄せのために頻繁に行われる各種イベントも大いに楽しめる。もちろん医療機関等もある

六本木ヒルズは,実に竣工まで17年あまりの年月をかけて完成したものであり,その年月だけを見ても再開発事業の大変さが実感できる。

目下,都心の再開発事業は各所で進行中であり,地権者の方々からも相談を受けることが多いが,やはりその立ち回りかた次第では、地権者の間でも経済的な損得が生じてしまうようです。

○小林秀雄とわたし

文芸評論家の小林秀雄の文章を初めて目にしたのは、大学の入試問題であった。

何が書いてあるのか皆目見当がつかず、逆にそのために,興味がわいて,その後小林秀雄の作品をいくつか読んでみた。しかし,相変わらず内容を理解できないまま,時々思い出しては、また挑戦するのだが、やはりわからないでいた。

ところが,数年前,小林秀雄の講演CDがでていることを知り、早速購入し聞いてみたところ,実にその講演がわかりやすく,親しみやすいものであった。

時に小林秀雄の講演の口ぶりは,あたかも,五代目古今亭志ん生を思わせるものであった。

もちろん,講演の内容自体は相変わらず難しい問題を扱っているのだが,しかし,彼の書く文章と比べれば格段にわかりやすく、また,彼の文章の理解にも大いに役立つものでした。

○心に残る言葉とわたし

本を読む楽しみの一つは,心に残る文章に出会うことで,そんなときは,せっせとノートに書き留めている。 最近では,アメリカのコメデイアン,ジョージ・カーリンのメッセージが心に刺さったので,是非とも紹介させてください。 以下,その訳です

この時代に生きる私たちの矛盾

ビルは空高くなったが 人の気は短くなり
高速道路は広くなったが 視野は狭くなり
お金を使ってはいるが 得るものは少なく
たくさん物を買っているが 楽しみは少なくなっている
家は大きくなったが 家庭は小さくなり
より便利になったが 時間は前よりもない
たくさんの学位を持っても センスはなく
知識は増えたが 決断することは少ない
専門家は大勢いるが 問題は増えている
薬も増えたが 健康状態は悪くなっている
飲み過ぎ吸い過ぎ浪費し 笑うことは少なく
猛スピードで運転し すぐ怒り 夜更かしをしすぎて
起きたときは疲れすぎている
読むことは希で テレビは長く見るが祈ることはとても希である
持ち物は増えているが 自分の価値は下がっている
喋りすぎるが 愛することは希であるどころか憎むことが多すぎる
生計の立て方は学んだが 人生を学んでいない
長生きするようになったが 長らく今を生きていない
月まで行き来できているのに 近所同士の争いは絶えない
世界を支配したが 内世界はどうなのか
前より大きい規模のことはなしえたが より良いことはなしえていない
空気を浄化し 魂を汚し
原子核を分裂させられるが 偏見を取り去ることができない
急ぐことは学んだが 待つことは覚えず
計画は増えたが 成し遂げられていない
たくさん書いているが 学びはせず
情報を手に入れ多くのコンピューターを用意しているのに
コミュニケーションはどんどん減っている
ファスト・フードで消化は遅く
体は大きいが 人格は小さく
利益に没頭し 人間関係は軽薄になっている
世界平和の時代と言われるのに 家族の争いは絶えず
レジャーは増えても 楽しみは少なく
たくさんの食べ物に恵まれても 栄養は少ない
夫婦で稼いでも 離婚も増え
家は良くなったが 家庭は壊れている
忘れないでほしい 愛するものと過ごす時間を
それは永遠には続かないのだ
忘れないでほしい すぐそばにいる人を抱きしめることを
あなたが与えることができるこの唯一の宝物には1円もかからない
忘れないでほしい あなたのパートナーや愛するものに
「愛している」と言うことを 心を込めて
あなたの心からのキスと抱擁は傷を癒やしてくれるだろう
忘れないでほしい もう逢えないかもしれない人の手を握り
その時間を慈しむことを
愛し 話し あなたの心の中にあるかけがえのない思いを分かち合おう
人生はどれだけ呼吸をし続けるかで決まるのではない
どれだけ心の震える瞬間があるかだ

これらのメッセージは一つ一つ私の心に突き刺さるが,これを敷衍した話しは次回のコラムで書きたいと思います

本コラム中の意見や推測にわたる部分は、執筆者の個人的見解であり、ひかり総合法律事務所を代表しての見解ではありません。
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