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運動部部活動指導者について

山田 康成

 新年度がはじまりました。学校では、新入生の子ども達が新しく部活動をはじめる季節です。

学校での教育の本分は、勉強にあるといっても、私の経験からすると部活動での経験は、体力を付けることや、人間関係の構築等重要な影響を与えるものだと思います。そして、部活動を充実したものにするためには、部活動の指導者の役割はとても重要なものだと思います。

しかし、学校での運動部の部活動指導者の現場の実態は、なかなか大変な状況です。

日本体育協会が調査した「学校運動部活動指導者の実態に関する調査報告書」(平成26年7月)によれば、「担当教科が保健体育ではない」かつ「現在担当している部活動の競技経験なし」の教員は、中学校で45.9%、高等学校で40.9%となっているそうです。野球やサッカーなど競技人口が多いスポーツは、競技経験者が多いですが、マイナーなスポーツになると、競技経験のある教員がいない確率が高くなります。

競技経験があるからと言って良い指導者になるとは限りませんが、経験したことのない競技を運動部の顧問として教えるのは大変でしょう。そうでなくとも、学校の教員が通常の授業の準備の他に、部活動の指導者となると、時間の拘束が長くなり、授業や学校運営の準備に手が回らないとの現状があるとの新聞報道もありました。それに加えて、部活動中の事故が発生した時の責任問題を負うリスクがあるなど、学校の先生の負担は大変なものがあります。

そのための方策として、部活動の指導者をその学校の教員だけでまかなうのではなく、実技指導が出来る外部指導者を活用することも検討されていますが、その取り組みもなかなか進んでいないようです。

外部指導者は、その競技の専門性を持っていることや、熱心な方が多いため、その指導力は素晴らしい方が多いですが、その一方で、熱心すぎるあまり行きすぎた指導になる場合もあるとも言われています。

とはいえ、競技経験もない学校の先生が、通常の授業や学校運営の準備で多忙を極めている中で、自分の時間を犠牲にしてやむを得ず指導をしている現状を打破するには、有効に外部指導者を活用する方策を進めていくべきでしょう。

そのためには、学校との連絡体制の整備、責任の所在の明確化等の課題がたくさんありますが、少しでも多くの子供たちがスポーツをしてよかったと思える社会の実現のために、良いスポーツ指導者が多く存在するようになってほしいと思います。

本コラム中の意見や推測にわたる部分は、執筆者の個人的見解であり、ひかり総合法律事務所を代表しての見解ではありません。
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