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株式会社セプテーニ・ホールディングスと株式会社CAMPFIREとの資本・業務提携契約について

弁護士法人ひかり総合法律事務所
代表社員 藤原宏高

第1 2017年1月10日付け株式会社セプテーニ・ホールディングスの発表概要

 2017年1月10日、ネットマーケティング事業を主力事業としている株式会社セプテーニ・ホールディングス(SEPTENI HOLDINGS CO.,LTD.以下「セプテーニ社」という)は、クラウドファンディング・プラットフォームCAMPFIREの企画・開発・運営を主な事業とする株式会社CAMPFIRE(以下「キャンプファイアー社」という)と資本・業務提携を締結したと発表した。
 具体的には、キャンプファイアー社が第三者割当増資を行い、その一部をセプテーニ社が取得するという。
 他方、キャンプファイアー社も同年1月10日、総額約3億3000万円の第三者割当増資を行ったと発表している。セプテーニ社もその一部を引き受けた模様であるが、具体的な割当金額は公表されていない。

第2 キャンプファイアー社の第三者割当増資の目的

 今回の増資について、キャンプファイアー社は2017年中を目途に金融領域におけるクラウドファンディングとしてソーシャルレンディング(貸付型クラウドファンディング)への進出を検討するとのことである。要は、これまでの購入型クラウドファンディングから、貸付型や投資型といった多様な資金集めの手段を提供するという。

 キャンプファイアー社の4月9日付けのHPでは、クラウドファンディング・プラットフォームCAMPFIREは群衆(crowd)から資金集め(funding)ができる日本最大のクラウドファンディング・プラットフォームであり、これまでに5500件以上のプロジェクトが20万人以上の人々から総額約20億円を集めていると発表している。

3、セプテーニ社によるキャンプファイアー社への出資の目的

 セプテーニ社は、2017年2月7日付2017年9月期第1四半期決算説明会資料では、「マンガコンテンツ事業の概況」として,マーケティング投資を積み増し、自社のマンガアプリGANMA!の規模拡大ペースが加速しており,広告を中心としたアプリ収益も順調に拡大していると説明している。

 加えて、「マンガコンテンツ事業のトピック」として,「この四半期については、CAMPFIREさんというクラウドファンディングのプラットフォームと連携をしまして、キャラクターのグッズ化、ファンサービスの一環として、読者のユーザーの方々に向けて我々のキャラクターのグッズを製作し、注文を取りながら反響がいいものを製造していくというふうなかたちの、事前の注文型のグッズ化のプロジェクトというのをクラウドファンディングで始めている」と説明している。

 要は、マンガアプリGANMA!のキャラクターのグッズ化について、クラウドファンディングのプラットフォームと連携することにより、マンガ家を支援するというものである。

 セプテーニ社の説明によれば、「当初5作品のキャラクターをグッズ化するということで始めておりましたが、すべてファンディングの調達の目標金額をクリアしまして、それぞれ今グッズ化を決定しているということで、マーチャンダイジングとしても、従来の単行本収益みたいなものに加えて、デジタルで生まれたコンテンツのキャラクタービジネスというのもしっかり成り立つということがわかってきましたので、これ新たな収益源として鋭意開発をしていこうということでございます。」と説明している。

 かかる増資引受とともに、セプテーニ社は、2017年3月20日からGANMA!の大型プロモーションを実施している。

 今回発表されたセプテーニ社によるキャンプファイアー社の第三者割当増資の引受も、かかるキャンプファイアー社との連携の一貫として、キャンプファイアー社に必要な資金提供するというものである。

以上

本コラム中の意見や推測にわたる部分は、執筆者の個人的見解であり、ひかり総合法律事務所を代表しての見解ではありません。
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