弁護士コラムバックナンバー

空き家対策 〜空家対策推進に関する特別措置法施行3年をむかえて〜

清水 敏
(第二東京弁護士会 弁護士業務センター 行政連携部会長)

1 はじめに

 日本は高齢社会・人口減少社会に突入しており、将来にわたり高齢者が増加する一方で総人口が減少するとの予測がなされています(i)。これらも原因となって、全国に人が住まない空き家が増加する結果となりました。かかる現象は過疎地や地方特有の問題ではありません。人口の流入が続く東京都内においても例外ではなく高齢化や相続財産未分割などを原因として空き家が増えています(ii)。

 空き家状態が継続すると管理が行き届かなくなり、建物自体の劣化のみならず周辺の地域環境の悪化を招きます。例えば、空き家の敷地内での雑草繁茂、樹木の越境、倒壊事故、耐震性の不足、火災、延焼事故、外壁落下・飛散事故、不審者侵入・不法滞在・不法投棄などの犯罪の温床、景観阻害など様々な問題が発生してしまうのです。

 国会も管理不全の空き家が防災、衛生、景観等の地域環境に深刻な影響を及ぼしている現状に鑑み、平成27年5月空家対策の推進に関する特別措置法(以下「空家法」)(iii)を制定し、その施行がなされて3年余が経過しました。

2 区市町村の取り組み

 区市町村は空家法以前にも、最も身近な地方自治体として、空き家問題に関する住民相談や条例制定などの対応を行ってきました。今のような秋の季節においては、市民から「隣の空き家のイチョウから銀杏が落ちてにおいで困っている」などの苦情にも対応をしていたのだろうと思います。

 そのうえで、空家法が施行されて以降、区市町村は、同法4条により区市町村に空屋等に関する必要な措置を適切に講じる努力を求められていることから、空き家の実態調査、空き家等対策計画の策定、空き家発生の抑制と適正な管理の促進のための啓蒙活動や住民向け相談窓口の設置などを通じて空き家等の発生の抑制、不動産資産の利活用を促しています(iv)。

3 弁護士の取り組み

 第二東京弁護士会は、地域支援の一環として空き家対策に取り組んでいます。第二東京弁護士会を含む東京三弁護士会では、市民向け相談窓口として弁護士会空き家相談窓口(電話番号 0570-087837)を設置しました。この相談窓口は、空き家に関連する諸問題(相続、後見なども含みます)に精通した弁護士を紹介しています。空き家に関する悩み、トラブルなどがあれば気軽に相談をしてください。

 また、弁護士は自治体における空き家対策も積極的に支援しており、空家対策審議会などの構成員、きめの細かい庁内相談対応などの従前以上の活動を通じて、法の支配を及ぼしつつ、空き家対策の支援・施策の実現を図っています。

以上

(i)

総務省統計局

http://www.stat.go.jp/data/nihon/02.html

(ii)

東京都都市整備局

http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/juutaku_seisaku/akiyashisaku.html

(iii)

空家対策の推進に関する特別措置法第2条は、「空家等」を「建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。」と定義しています。

(iv)

東京都区内の例

http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/juutaku_seisaku/akiya_torikumi2.html

本コラム中の意見や推測にわたる部分は、執筆者の個人的見解であり、ひかり総合法律事務所を代表しての見解ではありません。
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